午前の部は今日から一気にレベルアップします。その前に総復習的な課題を提示しました。友達の列車が前回作成したプログラムと同じ動きをするようにしてみましょうというものです。
一から作るわけではなく、自分のプログラムを修正をしていく作業です。そのためには友達からデータをもらってこないといけません。どこを修正しないといけないのか、実際に動かすとどうなのか、などを体感しながら作業していきます。この作業がしっかりできれば、なぜレベルアップした方がいいのかがよく理解できるはず。
課題を提示して、約50分、たまーに「ここおかしくない?」とか、「ここはどうして?」と単発的な質問を個別にするだけで全員完成させてくれました。50分を4分にまとめております。
そしていよいよレベルアップ課題に。さっきの作業をもっと簡単な処理で実現できないかという課題です。その第一歩として変数が使えるブロックに置き換えていきます。まだ子ども達は何のためにやっているか分かっておりません。
だから「意味あんのこれ?」となっていきます。まだ素直な子ども達なので疑問に感じながらも言われたように意味のないことをやらされております。
変数を使うという下準備ができたら、使っていく変数に名前をつけてあげないといけません。そのためにはタイピングが必要になってきます。しかしみんなちゃんとできてますね。流石、今時の子ども達。
取りあえず変数に変える作業を一つだけ実施しまして一旦切り上げました。様子を見ていてscratchも遊びの一環で取り入れた方が上達が早そうだと感じましたので、のこり10分近くはお遊びタイム。
といっても、こちらも結構難しい内容になっていると思います。
scratchはロボットが動くわけではなく、(動かせるようにもできます)画面上のキャラクターが動くというものです。ですから画面上の位置の把握には座標軸の理解が必要になってきます。これは中1の中盤の内容ですね。もちろんここを堅苦しくいく必要もないわけで、体験しながらx座標は左右でy座標は縦なんだと分かればいいのです。感覚で分かってしまえば、中1になったときもとてもスムーズに学習が進みますよね。
そして午後の部。今日は列車から離れて、scratchでプログラミング。ロボットの代わりに画面上の何かを動かすわけですから、まずはその何かをしっかり準備してもらいます。ところがこれもいきなりの難関が。スプライトとコスチュームのことが分かっていない状態なのでこんなことになります。
まぁ、こういう失敗をしてくれた方がいいのです。失敗があるからその意味に意識が向くってことですから。
デザインというか配置を決めていきます。その際に座標の知識が役立ちますね。
時計を作るのですが、時間の十の位の処理から考えてもらっています。ここで出てくるのが分岐処理です。分岐処理自体も初めての子には難しいのですが、分岐処理には演算が伴うことが多いのです。それが更に子どもの頭を混乱させます。慣れればどうってことないんですが、慣れるという状態になっているということは算数や数学的な思考ができてるということでもあります。
まずは演算部分で混乱してもらってます。
どんなときにどうなるのか。これが分岐処理の思考ですが、AだったらBでAじゃなかったらCで、BじゃなかったらDということはDはAでありBでないってことね、なんてことを把握してないといけないのです。ややこしいでしょ。頭悪いと無理だよねーってなりますね。プログラミング的思考は頭が良くなりますよ!とおすすめできる部分の一つですね。
小学生で結構躓く単元の一つに四捨五入の範囲というものがあります。簡単に述べると以下と未満の違いということなんですが、分かっているようでも混乱するものです。
めっちゃ考えていることが分かりますよ。でもなんで上手くいったかがいまいちしっくりきておりません。気持ち悪いので隣を見ながら考えて腑に落ちたようです。
これも勉強の場面でよくありますよね。なんかしらんけど答えが合った!
ただ勉強の場面で「うーん、納得いかないっ」て探求できる子どもはそう多くない。
分かったら気持ちいいという体験は探求できる子どもへ導く一つの手段でもあります。
今回のプログラムでは「より大きい」「より小さい」「割った結果の切り捨て、切り上げ、四捨五入」「割ったときのあまり」などを使います。これは算数に強くないとかなり頭を悩ませます。「割ったときのあまり」なんてめったに使わないですよね。高校入試では頻出単元です。分かってる人は秒で答えが出ますが、分かってない人は数え上げるしかないためメチャクチャ時間がかかるんです。
こういう経験ができるのもおいしいですね。
こちらもキリのいいところで切り上げてお遊びタイムへ。先に進んでいる午後の部なので、あまり丁寧に教えずに放り投げます。が、しっかり食らいついてきますね。さすが。
初めての命令を追加するように助言して、そうしたらどうなる?って尋ねると分からないようで、じゃあ動かしてみたら?と動かすと意外な結果に驚いております。ということで、彼はこの命令をマスターしたわけです。
「え、なんで?」から「あ、そうか!」の流れですね。
途中でお迎えに来られたのですが、とりあえず自分で作ったゲームは自分でクリアするのだ!ということで頑張っておりました。そういうわけで10分ほど居残っておりまして、どうもお待たせを致しました。ぺこり。
当の本人はペロリと舌を出していたようです。