項目をクリックすると詳細説明が展開されます。
2020年度の小学生指導要領改訂により、プログラミング教育が必修科目となりました。中学生は技術家庭に組み込まれることになっています。そして高校生では情報Iと情報Ⅱが新設されます。情報Ⅰは2025年から共通テストのひとつの教科になります。(科目が増えるのではないのです。その上のカテゴリーの教科が増えるのです)
主要教科「国語」「地理歴史」「数学」「理科」「外国語」「公民」の6教科に「情報Ⅰ」が追加されて7教科になるのです。
なんでプログラミング教育が?って話なんですが、今、圧倒的にItの人材が不足しているんです(36.9万人の不足)。そしてさらに10年後には今の倍以上の人材不足に陥ると予測されています(78.9万人の不足)。[経産省データ]
足りなくなるだけではないんですね。カギは現在進行中の第4次産業革命なんです。
18世紀、第一次産業革命で世界の工場イギリスが世界に君臨しました。
19世紀から20世紀初頭、第二次産業革命で自動車でしょうか。アメリカ、ドイツが世界に君臨しました。終盤には日本も。。。
20世紀はコンピューターの時代。第3次産業革命です。デジタル革命ですね。
産業革命が起こるたびに世界情勢が変わり、生活様式が変わります。現在進行中の第4次産業革命はどうでしょう?どんどん変わってきていませんか?Internet of Things 「IoT」です。世界の名だたる企業はこれに特化しているといっても過言ではないでしょう。さらに、artificial intelligence 「AI」です。想像を超える世の中に変わりつつあるのです。
これまでの革命が示してきたように世界の覇者と生活様式が変わるということなのです。そのような時代に生きていく子どもたちにとってinformation technology 「IT」についての知識や技能は必要不可欠なのです。
半世紀以上前、日本人で英語ができて行動力があれば割と楽にお金持ちになれる時代がありました。輸入して国内で販売すれば良かったんですね。英語が大いなるアドバンテージを与えてくれた時代です。
そしてグローバル化するこれからの世の中では英語は大切だよ!ということで中高大と10年近く英語を勉強させるような教育体系が続いていたのです。
英語は大事だよ!って話なんですが、今は違ってますよね。
英語は当たり前だよ!って時代になりました。つまりできないことが大いなるディスアドバンテージになってしまったんです。
第3次産業革命であるデジタル革命の終盤であるこの時代を振り返ってみてどうでしょうか。
地球人でプログラミングができて、行動力があった人、割と楽にお金持ちになれる時代があったんですね。もう終わってますが。(グローバル化が完了したので日本人でなく、地球人となっております)
これからの世の中はプログラミングは大事だよ!の時代の入り口です。
お孫さんの時代になると次はプログラミングは当たり前だよ!になっているでしょう。
英語教育と同じようなイメージで捉えると、プログラミング教育は非常に重要なものなのだということが想像できるはずです。
共通テストで教科がひとつ増えるインパクトというのは前述した「想像」に十分に一致することなのです。
当塾は補習塾ではなく、進学塾を標榜しています。県立上位高校を目指すことに特化した受験指導塾です。
なんでプログラミング講座を開講?って話なんですが、受験で必要なスキルなんです。プログラミングではなく、プログラミング的思考とこの講座で習得できるであろう問題解決力、論理的思考力、忍耐力、試行錯誤力、これらを持ってる子は強かった!という私の経験があります。
小中生だけを相手に30年以上この業界一筋でやってきています。賢いなぁと思う生徒と多数出会ってきましたが、大半が中学受験組です。トップ進学ゼミでは現在中学受験生を教えておりませんが、高校受験生で賢いなぁという生徒はたくさんいます。でも、ちょっとレベルの違う賢さが中学受験組にはあるんです。
そういう生徒たちは問題解決力、論理的思考力、忍耐力、試行錯誤力、これらを全部持っていました。持ってなきゃ最難関校は合格できないんです。本当に賢い人たちの試験というのは詰込みでは対処できないんです。
20年以上前になりますか、指導要領の改訂で入試問題が様変わりする時期がありました。詰込みでは合格できないような問題が流行りだしたんですね。でも難関校のような本当に賢い人を選別するような問題はフツーの小学生にはワケワカメです(古っ!)
かなりデフォルメをした、それでも覚えているだけでは解けない、その場で頭を使って試行錯誤をしたり、推考をしたりという問題を国立系で課すようになってきたんですね。
そしてそれが高校入試でも問われるようになってきた。さらに、今回の小学生のプログラミング教育の必修化によってその流れは加速するのです。
とても基本的な問題を示してみたいと思います。
(A#B) = A – 3B とするとき、(8#2)の値を求めなさい。
いかがでしょうか? 8 – 3 × 2 = 2 です。大人ならどうってことはない約束記号の問題です。
この問題、中学入試でも出ます。さすがにもう少しひねりますが。
でもですね、練習問題として最初はこんなところから解説を始めるのです。そうするとですね、ほとんどのフツーの小学生はできないし、何度か解説しても呑み込めない。苦手とする生徒が一定数出るんです。発達段階も関係するんでしょう。非常に抽象的な作業とでもいえるわけですから。
まぁ小学生だしなぁ、と思っていたら大変ですよ。この「約束」の分野は中学3年生でちょこっと触れるのですが、県立トップ校を受けようとする生徒でも初見だと3割程度意味が理解できないでいるんです。まぁ、たいていそういう生徒は数学を苦手としているんですが。
高校入試で出るようになってきてます。特色とか、上位私立なんかで。差が付きやすい問題でもあるからですね。これが、加速するとどうなるか。一般の県立高校入試でもどんどん出てくるよってことなんです。
出題教科は多岐にわたるでしょう。これまでは主に数学でした。でも、小学生の学習指導要領によるプログラミング的思考というのは、教科を問わないのです。差のつきやすい問題がどこから出てくるか分からない。さぁ、困ったぞ。
でもね、できる生徒にとってはこの分野、ラッキー問題でもあるんです。いわれた通り考えるだけやん!ってな感じでとらえてる子どもが多かった。だから身につけておきさえすれば!というところなんですね。
最後に県立高校の入試問題を示しておきましょう。
(x + y) = 2(x) × (y) とし、(1) = 2 とするとき、以下の問いに答えなさい。
問題1 (3) の値
入試本番ではこの後にまだ2問続きます。どうでしょう?
高校入試の問題ですが、中学受験でも出る問題です。つまり、中学生ならば学年に関係なくできる問題だということなのです。解答はこのページの最後の項目をクリックしたら展開して示されるようにしておきます。一応解説付きで。
小学生でプログラムを作成するためのルールを学んだら、次にすることはプログラムを作成することですよね。そしてそれも実は小学生で簡易的なものは習得済みとなっています。
もちろんScratchなどに代表される積木を使ったようなプログラミング言語を使ってです。
中学生になると、より複雑なプログラムをそのScratchのようなものでつくることを求めるのか?というと、そうではないんですね。これまではいろんな知識を学んでいました。ハードウェアだのソフトウェアだのといった言葉から、制御システムの仕組みなどですね。主にセンサーについての学習が多かったようです。なんせ「プログラムによる計測・制御」というのが指導要領のタイトルでしたから。
今回の改訂ではそれに加えて、双方向通信を学ぶようです。「IoT」ですね。実際にサーバーとの通信、そのための圧縮技術なんかにも触れていくようです。Scratchのようなもので実際にプログラミングを行いながら学ぶことが提案されています。
プログラミングといえば、やはりタイピングでしょう。実際にあるいろんな言語の中からまずはひとつを選んでコーディングすることです。でも、それはやらない。
新設される情報Ⅰの後半で扱うようですよ。
いったん技術家庭にして、そして新設の科目に移行させます。これには恐らく2つの理由があるのではとDANZENは勝手に想像しております。
一つ目。コーディングは時代によって変化していくものです。いろんな言語が出てきます。そして、今の時代、言語を覚える必要がなくなってきています。それが小学生が扱うScratchなんですね。無理して覚えなくてもいいやん。考え方だけでいいやん。ということ。考え方を身につけたら周辺知識を入れる方が大切でしょ。だからまず技術家庭で。塾屋の認識としては、周辺知識は受験で必要ないですから、内申点対策として身につけておけば良いということです。
二つ目。プログラミングにおける予備知識の問題です。まず、プログラミングを扱うには外国語の知識があった方が良いです。プログラミング言語は自然言語ではなく形式言語なので外国語の習得に比べるとずいぶん楽です。しかし、記述がアルファベット主体ですから、その元となる言語、主に英語は知っておいた方が圧倒的に楽です。そういう観点からすると、中学生ではまだ知識が足りないですね。次に、一番大きな問題、数学の知識です。論理演算なんかは非常に重要なのですが、そういうことは中学数学で習うことがありません。ですから本格的なプログラミングを扱うには早すぎるわけです。そういうわけで、プログラミング思考が鈍らないように、小学校で培った技術を復習作業しながら、プログラミング界隈の「知識」だけを入れていこう、だから技術家庭で、となっているのではないかと勝手に思っております。これも塾屋の認識でいくと、技術家庭で学んだ知識を問われることはないが、そこで作業した小学生時代に学んだプログラミング的思考については要注意。受験でその考え方を使う問題が多数出題されるでしょう。あらゆる教科で、ということです。
トップ進学ゼミの授業では
質問解説
確認テスト
新規項目の解説
演習
宿題(家庭学習)
がワンセットとなっています。おおよそ、どこの塾でもこんな感じでしょう。
プログラミング講座では、主に初級編になりますが、
動きのイメージ
実際に動かす
その動きをプログラミングする
動作の検証
プログラミングの改良
内容をまとめる(苦労した点、工夫した点などの整理)
この流れを授業の中でやりきります。普通の授業とは全然違いますね。
動作の検証とプログラミングの改良には結構な時間がかかります。場合によっては1回の授業時間内では完結しないこともあるでしょう。
最初に考えた動きのイメージを必ず再現させる!これが、忍耐力、試行錯誤力、問題解決能力、作業の効率化のための意識、全体を見通す力につながっていきます。
トライアンドエラーこれを積極的にできるこどもにしていきたいですね。
解答は32となっております
(x + y) = 2(x) × (y) とし、(1) = 2 とするときの (3) の値を考えるわけです。
(3) = (1 + 2)
(3) = 2(1) × (2)
(3) = 2×2 × (2)
(3) = 4 × (2)
(3) = 4 × (1 + 1)
(3) = 4 × 2(1) × (1)
(3) = 4 × 2×2 × 2
(3) = 32
いかがでしたか?
正直、トップ進学ゼミで膳所コースに在籍している生徒でも、パッと正解が出せる子は半分もいないです。
ルールに則って論理的に作業するだけの作業問題なんですがね。どうにも難しいようです。